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第二十八回『偏差値30からの東大受験 東大の話の続き』 

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1月に入り、随分と寒くなってきた。
本格的な寒さが訪れて、身体の芯を凍らせ始める。すると、ぼくは戦いを思い出す。あの時の戦い。人生をかけて、命がけで挑んだのだ。

1月は、戦闘が始まる時期。正月休みなどというものは存在しない。正月の間に、最後のピースを埋められるかどうかが、多くの戦果をあげるためには重要なのである。

時には雪が降ることもあった。そうだ。19歳の時のセンター試験の時は雪だった。上野にある高校で試験を受けたのをよく覚えている。試験の時は足下が冷えないように、上着をヒザにかける。寒さは集中力を奪うのである。

暖めると眠くなるという人もいるかもしれない。しかし、ぼくに言わせれば、覚悟が足りない。生きるか死ぬかの戦いで眠くなるやつなんて死んで当たり前だ。眠気覚ましなどする必要は全くない。

とはいえ緊張し過ぎてはいけない。水筒に入れたホットミルクを飲んで、一息つく。少しすると、全ての荷物をしまうように要請され、試験官が問題を配付するのを待つ。

戦闘が始まるのだ。

一瞬たりとも集中力を切らせてはいけない。ここで全てが決まる。勝てば英雄、前途は洋々。負ければ奴隷、あるいは処刑である。その時点で未来などなくなる。消滅する。

あの時の緊張感、そして、集中していく意識。自分という存在が、空気の中に溶け込んで、ただ、目の前にある問題にだけ集中し始める。

ただのセンター試験である。ただの試験だ。紙だよ、紙。

でも、この紙がぼくの人生を決めるのだ。負けたくない、負けたくない、負けたくない。この先負け続ける人生は嫌だ。まだぼくは19歳なのだ、こんなところで人生を決められてたまるか。

今なら流れを変えられる。

勝負だ!! 


大人になった今は、受験に失敗しようが、大学に行かなかろうが、十分に充実した人生を送れることはわかっていえる。大学に行くことは幸福の要件ではない。ただ、ぼくの場合は違った。あのとき逃げていたら、一生負け犬であったかもしれない。

大事なのは言い訳せずに立ち向かうことである。大人になった今は随分と多くの言い訳を覚えたが、19歳の若者には小手先の誤魔化しなど不要だ。

センター試験を終えた後、上野公園の周りを歩いたのを覚えている。樹木の上には雪がバサっと落ちてきて、頭にかかったのを覚えている。

手応えはあった。いけるはずだ。

といってもセンター試験は、言ってみれば練習みたいなもの。本番はこの後に控えている。浪人生だったぼくの第一志望は慶應義塾大学。試験まで後1ヶ月もある。

来るべき決戦に備えて、最後の詰めを始めた。休む暇などないのだ。しかし、少し浮かれている自分にも気付いた。

東京の空気は凍り付き、街は白くなっていた。静謐な空気があたりを包み込む中、ぼくは栄光に包まれた未来を想像して、少しにやけた。ぼくは慶応ボーイとなった自分をイメージしてはにやけていた。

その時は考えもしなかったのだ。
努力すれば必ず報われると信じていた。
だって、どんな少年漫画だってそういう構造になっているではないか。

絶対に勝つ!!!
勝つに決まっているのだ!!
勝てるはずなのだ!!


それから1ヶ月後……。

世界は絶望に包まれた。あの子はバラ色の大学生。ぼくは灰色の負け犬だ。あの時何をどう考えていたか、今でも生々しく思い出せる。

本当の負け犬は、自分が負け犬だと認めてしまった者のことだ。
ぼくは一瞬負け犬になったが、次の瞬間猛然と走り始めた。

よし、ぼくは東大に行こう。

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